NOIZ NOIZ NOIZ #5 特集:50歳の地図

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特殊カルチャーZINE『NOIZ NOIZ NOIZ』の第5号をお届けします。
今回は編集発行人が50歳になったことを記念して「50歳の地図」という大特集。
さまざmな形でカルチャーの現場に携わりながら50歳を迎える方々に、これまでの人生の転機の数々や、老いが間近に感じられてくる現在において考えている今後の展望などをうかがっています。

そもそも今回の特集を思いついたきっかけはモジュラーシンセによる一人インダストリアル/シンセパンクアーティストの小川直人さんが50にして初めてレコードをリリースしたということでした。同い年で、やはり特にリリースもなく音楽活動を続けている人間としてはこんな熱い話はない。せっかく強い写真をいろいろご提供いただいたので表紙にしちゃいました!

今回取材に応じてくれた中で知名度がもっとも高いのはミトさんだと思います。最近はクラムボンとしての活動はお休みしているようなのですが、そのかわりというか、裏方仕事で大活躍中。直近では松田聖子の「赤いスイートピー」を中森明菜が歌うというトリビュート企画に参加。同い年ならどれだけこれがすごいことかわかるでしょう。全日マットに猪木が立つようなもんですよ。取材の時点ではそんなことはおくびにも出しませんでしたが、とにかくそうしたポピュラー音楽の最前線で働くミトさんがいまどのように考えているのかをじっくり語っていただきました。

日本を代表するOi!バンドのヴォーカリストにして、パンク雑誌「Bollocks」編集長、レーベル「BOOTSTOMP RECORDS」とパンク専門ライヴハウス「RATHOLE」のオーナーと、様々な仕事を手掛けつつもそのすべてがパンクというYUICHIさん。とにかくエネルギッシュな印象だったのですが、そんな彼が体調を崩してバンドは活動休止すると発表されたのがつい先日のこと。驚くと同時にこれもまた同年代として納得のいくものもありました。今回はそのパンク人生に迫ります。

今回の本で一番芸歴が長いのは坂田律子さんでしょう。90年代半ばのロウファイ・ブームから出発し、円盤をはじめとする東京のアンダーグラウンドシーンでマイペースに活動してきた坂田さんですが、近年はDJとしてブレイク中。若者たちの現場の様子など興味深い話をうかがいました。

インタビューの最後はハードコアバンド黒パイプのヴォーカリストであり、イベントのオーガナイザーとして様々に暗躍してきた倉持政晴さんです。そのカルチャーについての感覚には同い年としてわかりすぎるほどわかるものがあり、長年自分の中では「盟友」と思ってきました。奇しくもぼくより3年ほど早くに長年勤めた会社を辞めた倉持さんが現在南房総で取り組んでいるたいへん興味深いプロジェクトについてもうかがっています。

特集の最後は、下の世代から見た50歳について、ユニットJUNKYARD 1984ことニイマリコさん&コメカさんに対談してもらいました。ユニット名通り1984年、41歳のお二人から見た50歳は、バブル世代ともガチ氷河期世代とも異なる微妙な端境期という感じです。お二人ならではの鋭くも温かい考察が展開されます。

特集外では#2より毎号掲載している佐々木敦さんと児玉美月さんによる映画時事放談。いつも「あれを観ていない」「これは観る気にならない」という話の多い対談ですが、今回もますますそれが加速。さりながら、観ない理由も含めて現在の映画シーンについてのある種の態度表明になっており、なかなか他に類を見ない領域に達していると思います。

という感じで復活後2年目も終えようとしている「NOIZ NOIZ NOIZ」。今年から「語ぶるい舎」という屋号もつきまして、ますます強力になっております。
初売りは11/23の文学フリマ東京。ブースは南1-2ホールのH-44になります。

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NOIZ NOIZ NOIZ #5 2025 Winter
特集:50歳―働き盛り、それとも初老?
 Interview
  小川直人
  ミト(クラムボン)
  YUICHI(ANGER FLARES)
  坂田律子(pagtas)
  倉持政晴(a.k.a. アート倉持/黒パイプスターダスト)
 対談:JUNKYARD 1984(ニイマリコ+コメカ)

Film Review 「反=恋愛的映画時事放談 2025年下半期」(佐々木敦+児玉美月)

A5判モノクロ 102ページ
本体価格1,500円+税

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