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03 Books

PDCAサイクルと片付け―藤原華『片づけをプロジェクト管理してみたら汚部屋が生まれ変わった』【176冊】

noteでよく有料記事がバズっている編集者の単著である。本書自体がnoteのコンテスト受賞作ということで書籍化されたものだという。 基本的にはタイトル通り、仕事で使うプロジェクト・マネジメントの手法を「片付け」に導入するというもの。目的・完...
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掌編の積み重ねで描き出すディストピア社会―ラヴァンヤ・ラクシュミナラヤン『頂点都市』【175冊目】

インドの作家によるディストピアSF。となるとカースト制度への風刺みたいなものになるのかなと安直に考えたのだが、むしろもっと幅広く現代社会への批判であった。 インドの都市ベンガルールは「頂点都市」として徹底した能力主義に基づく階級社会が形成さ...
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現代とは常識が違うとはいえ……プラトン『饗宴』【174冊目】

先日の『ゴルギアス』に続いて読んだプラトン。こちらも光文社古典新訳文庫の中澤務訳。『ゴルギアス』同様、kindle unlimitedで読めるのでありがたい。 かつて古代ギリシャでは長椅子に寝そべって飲み食いしながら議論を交わす「シンポシュ...
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もちろん生き返る―『The Death of Superman』【173冊目】

どこかに閉じ込められていた怪物が地上に現れて、大暴れを始めるというところから始まる。破壊のみを目的とするかのごとく暴れ続ける怪物はいつしか「ドゥームズデイ」と呼ばれることになる。 ジャスティス・リーグの面々が立ち向かうがことごとくやらていく...
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書くことは多様である。だってそもそも世界は現に多様なのだから―佐々木敦『「書くこと」の哲学』【172冊め】

先日、分倍河原のマルジナリア書店で、小説家の池谷和浩さんと思考家の佐々木敦さんの対談イベントというのがあったので行ってきた。前者は佐々木さんが編集する文芸誌「ことばと」の新人賞受賞作家であり、また佐々木さんが渋谷で主宰する「ことばの学校」の...
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「全部読む」の醍醐味―『現代思想 2021年7月号 特集=和算の世界』【171冊目】

ここ3年ほど、ゲンロンカフェで年末に行われている斎藤哲也・山本貴光・吉川浩満による「人文書めった斬り!」イベントに参加している。毎月何百冊という単位で本を買う人たちがその年に出た「人文書」(ここではかなり広義)を振り返り、「大賞」を授与する...
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ジム・デロガティス『レスター・バングス 伝説のロック評論家、その言葉と生涯』【170冊目】

『あの頃ペニー・レインと』という映画がある。ロック評論家から映画監督に転身したキャメロン・クロウが音楽ライターとしての駆け出し時代のことを描いた自伝的青春映画で、ぼくは正直なところ決して好きではないのだが(色んな人を踏み台にしてきたことを美...
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「リスト潰し読書」の前段として―プラトン『ゴルギアス』【169冊目】

影響を受けやすいタイプなのである。近藤康太郎『百冊で耕す 〈自由に、なる〉ための読書術』という本をちょっと前に読んだ。そこで「読むべき本のリスト」をつぶしていくという読書法が推奨されていたのだが、中でもそのリストとしてお薦めとされていたのが...
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Industrial Poetry vol.6 怪文書【168冊目】

持田保さん主宰のイベント「Industiral Poetry」では毎回「怪文書」が配布される。 7月に開催されたVol.6(ぼくはDJとして出演させてもらった。その際のセットリストはこちら)で配布された怪文書では、川崎市にあるインドネシア発...
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おさらいとして―ライダー・キャロル『バレットジャーナル 人生を変えるノート術』【167冊目】

バレットジャーナルというのは、ノート術の類が好きな人ならだいたい知ってると思うが、ちょっと前に流行ったノート術のひとつだ。とりあえずこのあたりを読むとだいたいわかると思う。 だいぶ前に一冊バレットジャーナルの本は読んだことがあって、ある程度...