【41冊目】藤谷治『新刊小説の滅亡』

03 Books

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かっちりした書評とかではなく、読んだ本を速報的に簡単に紹介するシリーズです。

ということで今回は11月の文学フリマで買った本の中から、フリー編集者の仲俣暁生さんの立ち上げた軽出版レーベル「破船房」の刊行物を。小説家の藤谷治さんによる連作短編小説を2編収録。「新刊小説の滅亡」と「新刊小説の逆襲」。

「滅亡」ではある日突然、日本の大手出版社があらゆる小説の新刊の刊行をとりやめることが宣言される。「逆襲」ではそんな中で新刊小説を刊行することを目的とした個人出版社が立ち上がり、主人公の小説家に刊行のオファーが来る。

新刊小説の発行が中止されるに至った理由というのがいちいち説得力があるのが印象的。主人公は就職するのだがそれでも小説を書くことがやめられずにいる、ということもリアリティがあるように思う。

実際にはこのようにドラスティックに滅亡することはないと思うんだけど、徐々に部数が減り点数が減り、一部の人気作家以外は(それでも書くのをやめられない人たちは)それこそ文フリみたいなところに活路を見出すこともあるんだろうなと思った。

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