【43冊目】フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』 

短編集というか一編が20ページとかなので掌編集といってもいいのかな。様々な形の「犯罪」が描かれるのだが、犯罪小説というよりは犯罪にまつわる人間模様を描いたものが多い。余韻のあるものもあれば、ショートショートっぽくオチがつくものもある。
著者(弁護士だったという)自身が反映されているとおぼしき「私」が登場するが、必ずしも「私」が視点人物というわけではない。むしろ三人称で話が進んでいって終わりのほうで「私」が登場するようなパターンも多い。
派手さはないが味わい深い一冊だった。こういうのが売れるっていうのはいい話ですね。

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