日本初期パンクシーンの豊穣―「EL ZiNE vol.53」【162冊目】

03 Books

巻頭は80年前後に活動したパンクバンド3連発。


まずはv.a.『東京New Wave 79』にも収録されていた10代のパンクス、BOLSHIE。表紙の写真からして子ども!という感じですごい。BASEから発掘音源集がリリースされたことを受けてのインタヴュー。原宿のSMASHというパンクショップがたまり場だったのだという。モッズ時代のマーシーなんかも通っていたとか。79年頃の音源にはシンセがフィーチャーされているなんていう話も興味深い。
続けてSHOCKLINEというのはもともとCOLDJACKというバンドをやっていたひとたちが路線変更してスタートしたバンド。いまでいうパワーポップというか。ハードコアが台頭しつつある中で敢えてポップな路線に打って出たということで、インタヴューアーは挑発的な意図を感じていたようなんだが、実際にはそういうわけでもなく、パンクシーンでの対バンも多かったとのこと。当時のメジャー音楽業界ではやはりロックバンドについて理解がなく、バンド解散後には作家として音楽業界に残ったが、それも嫌になって辞めてしまったということだ。そういうバンドいっぱいいたのかなあ。
モッド系パワーポップバンド、THE BADGE。Firestarterがサポートしたシングルなんかも出してるバンドだが、今回のインタヴューもFinkさんが担当。時々ライヴやってるようなので機会を見つけて観に行きたいものである。

80年代UKもののインタヴューもシリーズ化しているが、今回はブリストルのLUNATIC FRINGE。CHAOS UKやDISORDERと同世代だが、彼らと対立していたVICE SQUADとも交流があったとのことで、中立的な視点で当時のことを語っっているのが興味深い。

同じくシリーズ化しているメタルパンク系はスコットランドの一人バンドVENOMWOLF。NIGHTWOLFってのもあったよな。

大越よしはるさんのコラムはSUICIDEのバイオグラフィ。ちょうどこれを読んでた日にFBで友達がアラン・ヴェガの話をしてたのでシンクロニシティ!と思ったのだった。とにかく本人的にはあれをコマーシャルな音楽のつもりでやっていたというのがつくづく頭がおかしい。

YOUNG PARISIANのインタヴューやら四谷で早朝にライヴやってたというバンドやら、いまとなっては遠い目になる記事もあるが、たかだか3年前なのですね……

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