学生時代に買ってずっと棚の目立つ位置に置かれていた本をついに読み始めたのである。

アメリカのポストモダン小説を代表する作家ジョン・バースの1966年作。上下巻で合わせて800ページ以上。
コンピューターシステムに支配された大学を舞台に、やぎとして育てられた少年の冒険を描く。って何を言ってるかわからないと思うが、読んでいてもあんまりわからない。まず大学が西と東に分かれて争っており、東西冷戦のメタファーというか風刺的な意図があるんだとは思う。
こないだもコンピューターシステムに支配された世界を描いた本を読んだばっかだぞと思うと、先駆的ではあるのかな。

やぎ少年ジャイルズ Ⅰ|国書刊行会
やぎ少年ジャイルズ Ⅰ コンピューター支配下の学園を舞台に、やぎとして育った少年=ジャイルズの奇妙な大冒険。試練の果てにやぎ少年を待つものは卒業=救済なのか? 奔放な想像力が描く世界史の荒唐無稽なパロディ。
まず巻頭で本書を出版するべきか否かについて版元編集者たちの間で交わされた激論があり、続いて新作が書けずにいる作家バースのところにやぎ少年がやってきて「これを出すといいよ」とか言って原稿を渡していったという手記みたいなものがあって、そこから本編に入る。あと『オイディプス王』を学部長のポジション争いに置き換えた小説内演劇が上演されたり、まあ文学的な仕掛けもいろいろとある本だ。
なにより下ネタも含めたハチャメチャな展開が楽しめるかどうかが鍵なんだろうけど、いまのところぼくは正直なところ微妙ではある。
それでも1日20ページずつ読めばいつか読み終わるということをプルーストで学んだので(あっちは面白かったけど)、続けて2巻も読みます。
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