【42冊目】今村昌弘『屍人荘の殺人』

2017年に鮎川哲也賞を受賞し、このミスをはじめその年の賞を総嘗めにしたという超話題作。
主人公は先輩と二人で「ミステリ愛好会」として活動する大学生。そんな彼らが夏休みに映画サークルの撮影合宿に混じって山中のペンションで過ごすことに――という冒頭からは想像のつかないような展開するということで大いに話題になった。この「展開」についてはいまだにネタバレ禁止が遵守されているようなので詳細は触れないでおくが、個人的には事前にハードルが上がってたせいもあり、そこまでびっくりしなかったかも。いや、びっくりした点もあるんだが、そこは細かく話すとネタバレになるので(もどかしい)。

むしろ、様々な細かい伏線がきっちりと謎解きとして(意外な形で)回収されていくところがデビュー作とは思えない丹精さで感心した。「ああ、ここはきっと何かの伏線なんだな」と思ったことが「ええっ、そういうことなの!?」となる驚き。
ヒロインの適度な萌え具合なんかも含めて実によくできた一作。続編もきっと読む。

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