ギターとドラムの二人編成でものすごく複雑な音楽を演奏するte_riというバンドがある。かつて彼らが2017年に『kasugai low gravity』というアルバムをリリースした際にオフィシャルインタビューを担当させてもらった。
ちなみにいま読んでも面白いと思うのでよかったらどうぞ
te_ri『kasugai low gravity』オフィシャル・インタビュー【前編】 - CADISC
拠点を岩手と岡山という遠距離に置く二人組による脱臼インストロックバンド、te_ri。結成10年にして現時点での
ギタリストの村上巨樹さんはこの時点でミャンマーの音楽に強い関心を持って研究を続けており、自身の音楽にもその要素を導入していた。
その後も研究は続いているのだが、2020年にその時点での経過報告のような形で刊行されたのがこちらのCD付き小冊子。
A5判16ページオールカラーで、表紙は深緑に金色で文字が印刷されている。これ、コクヨの測量野帳を思わせるのだが、「フィールドノート」という意図があったのだろうか。

レコードの発明の話から、20世紀初頭にグラモフォン社が世界中にフィールド録音に訪れた話、その一環でミャンマーにもレコードが入ってきたという話へとつながる。
ミャンマーにはマウンマウン氏という研究者がいて、『ミャンマーのレコード史研究』という重要な本を出しているのだそうだ。
ミャンマーでは音楽のほかに読経や会話劇、そしてそういった語りと音楽の組み合わせたレコードがあるのが特徴だという。
付属のCDにはそういったものがいろいろと収録されていて楽しい。ちなみにミャンマーでは7インチ(EP)や10インチ(SP)の両面を使って一曲を収録するというのが主流とのこと。CDではそのあたりうまく編集されている。実際のレコードは相当傷だらけなのだがそれも可能な限り聴きやすくしているということで、それでも結構ノイズはあるのだが、それもまた雰囲気のあるものだ。
たぶんまだどこかで買えると思うのでオススメです!
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