6年も経つとだいぶ様子は変わるだろうけど――『デザインのひきだし No.38』【68冊目】

03 Books

デザインに凝った本もたまには作ってみたいものだ。

『ユリイカ』の松岡正剛追悼号や、その延長で松岡正剛・松田行正の対談のYouTubeなんかを見ていたら本のデザインについての興味が湧いてきたので、2019年に買って積んであった雑誌を読んでみた。

「リトルプリント」特集。聞き慣れない言葉だが、これは編集部による造語で、小部数対応可能な印刷のことだという。リソグラフ、ピンクマスター、平台色校正、スペシャルオンデマンドというのを紹介している。

リソグラフは最近はZINE界隈ではおなじみだろう。理想科学が出している簡易的な印刷機なんだが、海外ではZINEカルチャーとの関連でリソスタジオというのが出てきているという話も載っていて、Hand Saw PressやIRAも紹介されている。

ピンクマスターというのは「簡易オフセット」とも呼ばれているもの。紙を版にすることでコストを下げるということなのかな。基本的にはモノクロなんだが、掲載されている印刷見本を見た限りでは十分な気がする。

平台色校正というのは色校を出す機械を使ってポスターを作るみたいな話。これは面白いな!

スペシャルオンデマンドというのは、オンデマンドなんだけどメタリックかかなり凝ったことができるやつ。これを使ったこの号は色違を100種類作ったという。エンボスとか箔とかもできるみたい。これはすごいな。ちなみにうちのはこんな色です。

紙を変えたりして上記の記事で試した印刷の見本が本文に挟み込まれており、さらに別冊で印刷見本帳みたいなのもついている。特集とは別に、用紙の新しい銘柄が紹介されていて、その見本も挟み込まれてたり。

これだけ凝った作りで2000円で出せてるって信じられない。いまならもっと高くなるんじゃないだろうか。そして印刷所のリストもついてるのだけど、この6年でどのくらい残ってるのかなとか思ってしまった。

グラフィック社
ビジュアルでわかりやすい本を数多く出している出版社。デザイン、美術、マンガ技法、ガーデニング・インテリア、ドール、料理、手芸、ホビー、サブカルまで、多くの分野でオリジナリティ溢れる書籍を出版しています。

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