
敢えて最近のライヴ動画などまったく観ずに臨んだ。
まあ観ないまでもSNSとかでちょいちょい評判は目に入ってくるわけですよ。曰く、演奏は鉄壁だけど歌が新人すぎるとか。とくにヒデはもっと頑張れとか。
なので、期待半分不安半分くらいの感じでいたのだが、結論としては全然いいと思った。やっぱりたいしたもんだ。
そもそも昨年リリースされた新譜『スブロサ SUBROSA』が素晴らしかった。
あまりにも巨大な存在だったヴォーカリストを失い、残った4人で再出発をするにあたってまずは4人でライヴができるレパートリーを作ろうということで大量に曲を書き下ろしたわけで、実際ライヴのほとんどはそこからの曲だった。
写真では見てたけど、まずギターの二人が前に並び、真ん中にシンセの台があるという絵面がかっこいい。今井が歌う横でヒデがメタルパーカッションを叩くなんていうのも新機軸で面白い。
ユータがすごい前に出てくるようになった気がするんだけど、前からあんなだっけ? たぶん以前よりもギター二人がマイクの前から動けない場面が増えるから動きを出そうとしてたんだとは思う。序盤はそのあたりを見ながら「あー、各自がんばってるなー」とかいろいろと考えちゃったのだが
演奏が鉄壁なのは言わずもがな。強いて我儘を言うならば、歌わないといけないっていうのはわかるんだけど、もっと今井のギターが聴きたいというのはある。そのへんは今後もっとヒデのヴォーカル曲の割合が増えていくといいのかな。あとインストも増えてもいいんじゃないだろうか。
ぼくはそもそもライヴにおける歌の上手下手がそんなに気にならないほうではあるんだけど、歌もそんな悪いとは思わなかった。ていうか「絶望という名の君へ」はちょっと泣きそうになっちゃいましたよ。まあヒデがハンドマイクで歌ってる横で今井がギター弾いてる構図ってのはちょっと不思議な気持ちになったけど。
アンコールの際にロボットの声でメンバー紹介がされるのだが、そこで櫻井敦司はないのかーとは思った。とはいえそこで「そうだ未来だ」って歌われたらそこはもう仕方ないよね。今井寿の強さがとにかく心に残った。
もちろん櫻井敦司の穴が埋められるわけはないので、そういう意味では別物である。なんだけど、Joy DivisionとNew Orderほど違うわけでもなくて、やっぱりBUCK-TICKだなという感じもある。こういう続け方というのもなかなか過去に例がない気がするので、今後の展開もますます楽しみになった。
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