オールモスト・ブルー

今月発売になる新刊『ダリオ・アルジェント――『サスペリア』の衝撃』の小特集「ジャッロ入門」のなかで紹介されているジャッロ30選の中でも最新の一作。

ボローニャ。大学生を狙った残酷な連続殺人が起こっている。ローマからITを駆使するエリート女性警部が事件解決のためにやってくるが、地元警察からは疎まれ気味。一方で、通信の傍受を趣味にしている盲目の引きこもり青年が、偶然に犯人の声を聞いてしまう……。

まあ残酷な殺人にハッタリの効いた映像効果という点でジャッロ的ということなのかな（あと、そもそもイタリアが舞台であるということと）。

ヒロインの警部がミスを犯して叱責されている場面で、パソコンの画面に映ってるのがどう見てもソリティアかなんかだったりするので笑った。

そんな映画なのだが、微妙にゴダールの影響もある気がしたり。電話をしている場面でのカット割りとか、あとすごいわかりやすいところでは交通事故渋滞を横から撮っていくところとか。

そこそこ楽しめたんだが、しかしなぜそこでセックスを？という疑問は残る。