時代はサイコ――『罠 The Trap』

私立探偵濱マイク三部作の完結編。1996年作。
前作の最後で、ヤクザのボス・神野（佐野史郎）が選挙で当選していたので、三作目でいよいよ最終決戦かと思ったら全然違う話になったのでびっくりした。佐野史郎はでてくるけど全然違う役である。
ちなみに前作で「白い男」の片腕的な存在のカズレーザーみたいな前身赤いスーツの男を演じた杉本哲太も全然違う役で登場。
ていうか時代もそろそろ渋谷系じゃなくなってるせいか、作品自体のだいぶトーンが変わっている。なんかずいぶんとシリアスというか陰惨な雰囲気になっちゃったな……という印象。

マイクは人命救助で表彰されたこともあって仕事は好調。そのうえ彼女までできて人生バラ色！というところから始まる。冒頭では不審な依頼を断るくらいに余裕がある。
時あたかも神奈川では美しい女性ばかりを狙う連続殺人事件が起きており、マイクの恋人も狙われたところから、逆にマイクに容疑がかけられ追われる身になってしまう。
仲間の探偵や、警察の仕事に疑問を持っている若手刑事などの協力を受け、恋人を守り真犯人を探すマイクだったが……

基本的にはダークなサイコホラーという感じ。なんとなく『セブン』あたりに影響を受けたのかなとも思ったのだけどどっちも96年公開だから影響関係はなさそうだ。翌年97年には『CURE』が公開されるわけで、まあそういうのが流行ってたのか。

永瀬正敏が二役やる意味がいまひとつわからなかった。演技を見せたかったのかな。役者ではダントツに山口智子が良かった。
これで終わりと思うと寂しいがTVシリーズがまだ残ってるので続けて観たいと思います。