ショウケースとして最適かも―『現代短歌パスポート3 おかえりはタックル号』【63冊目】

03 Books

世は短歌ブーム。
文学フリマなんかでも最近は一番の人気ジャンルのひとつとなっている。
思えば十数年前に、高橋源一郎の書評集みたいな本のなかで現代短歌が熱いみたいなのがあって、アンソロジーをいくつか読んだりしたものなんだが、その後継続的にフォローしていたわけではないので、いまのシーンにはまったくついていけていない。ちなみに当時は穂村弘とか枡野浩一とかが注目されてた頃です。

書肆侃侃房といえばいちはやく韓国文学の紹介に力を入れてきた版元という印象が強いが、近年はやはり短歌に大変力を入れている。
そんな書肆侃侃房からシリーズで刊行されている書き下ろしのアンソロジーが「現代短歌パスポート」。100ページちょっとで1,000円、10人に歌人が掲載されているというもので、コンパクトで手に取りやすいシリーズだ。
今回読んだのはその3巻。1,2巻は未読。なんでいきなり3を買ったのかはよく覚えてない。その時点で最新刊だったのかな?

収録されているのは以下の通り。
服部真里子「すべての雪に新しい名を」
木下龍也「ひとりひとりぐらぐらしし」
橋爪志保「願いごと」
川村有史「植樹」
菅原百合絵「海を見る顔」
山川藍「ずっと家にいる 2023」
山下翔「ほんたうかなあ」
山階基「髪は煤ける」
上坂あゆ美「おしまいまで行く」
青松輝「別れの歌」

この人が好きかもと思ったのはトップの服部真里子。
現代詩でもそうなんだけど、ぼくは詩・韻文には非日常的な語を使ったり言語実験的なことやったりしてるものが好きな傾向がある。
逆に言うと「日常を切り取った」ものとか、エモい恋愛ものとかは基本的に敬遠したい感じ。
気軽に読めるシリーズなので他の巻も読んで自分の好みに合う歌人を探していくのもいいかなと思いつつ、そもそも自分のなかでそこまで短歌に興味があるかどうかを見極めたいところでもある。

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