1000冊紹介する

03 Books

20年以上前なのか―金原ひとみ『蛇にピアス』【105冊目】

たまたま出会って寝るようになった男アマのスプリット・タン(舌の先を蛇のように二股にする人体改造)に魅せられたルイ。自分も同じようにしたいと、マサの兄貴分みたいな存在であるシバさんのところに行き、舌にピアスを開ける。さらには麒麟の入れ墨も入れ...
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爽やかハードSF―宮西建礼『銀河風帆走』【104冊目】

こういうのが好きなのが正統派SFファンなんだろうなという一冊。 創元SF短編賞受賞作家によるデビュー短編集で、「今年の日本SF大賞で特別賞を受賞している。前にも書いたが、やはり昨今の日本SFは新人のレベルが本当に高いなと感心する。 本書には...
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報われない―『世界文学全集〈76〉フィッツジェラルド』【103冊目】

父の蔵書より。集英社の世界文学全集からの一冊。父がこの全集をある程度持っているのだが、揃えているわけではないあたりに自分との性格の違いを感じる。ほんとにぼくは父とは似てないんだよな。 さておき、本書では「偉大なギャツビー」(野崎孝訳)ほか、...
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実は「渋谷系」で一番好きな人―『TV Bros.特別編集 BPM ブロス・プラス・ミュージック vol.4』【102冊目】

小西康陽を特集したムック。TVブロスの増刊で、コンパクトながらなかなか充実している。過去には小山田圭吾や細野晴臣の特集をやっているらしい カラーページで紹介されるこれまでのデザインワークはCDやレコードはもちろんのことながら、紙ものなどが楽...
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ますます充実の第2号―『diSSUE vol.2』【101冊目】

『オールドスクール・デスメタル・ガイドブック』著者の村田恭基氏と「某ユニオンの暗黒担当」による音楽ファンジンの第2弾。昨年末に出たvol.1が大変すばらしかったので、文学リマ東京40にて最新号を購入した。 前号ではOSDMと70年代プログレ...
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幻想とドキュメントー『現代詩手帖 2023年7月号』【100冊目】

図書館で在庫されている「現代詩手帖」のバックナンバーを全部(2年分)読むプロジェクト。2023年7月号は「夏の作品特集 幻想とポエジー」。幻想的な詩は好きなので、ぼくにとってはなかなか読んでて楽しい号である。 山尾悠子の作品は散文詩というか...
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手を変え品を変えー不破有紀『はじめてのゾンビ生活』【99冊目】

ゾンビものは最近も読んだけど、工夫のあるゾンビものはまだまだいろいろ出てきそうですね。 本書はラノベレーベルの電撃文庫から出ており、著者は本作がデビュー作とのこと。巻頭に行政が配っているようなパンフを模した「はじめてのゾンビ生活」というカラ...
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素材が大事ー上阪徹『職業、ブックライター。』【98冊目】

「ブックライター」というのは聞き慣れない職業名かもしれない。たぶんややネガティヴなイメージも込めて「ゴーストライター」という名称が一般的だろう。有名人とか成功者に話を聞いて、それを文章化して本の形に仕上げるという仕事である。「ゴーストライタ...
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層の厚さを感じるー『現代中国SFアンソロジー 宇宙墓碑』【97冊目】

中国SFのアンソロジー。以下の12篇を収録。 「最後のアーカイブ」顧適(グー・シー)「宇宙墓碑」韓松(ハン・ソン)「九死一生」念語(ニエン・ユー)「アダムの回帰」王晋康(ワン・ジンカン)「一九三七年に集まって」趙海虹(ジャオ・ハイホン)「博...
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観ないとー佐々木敦・浅山幹也『あなたは今、ホラー映画を視ていない』【96冊目】

文学フリマ東京40で購入。 佐々木敦と浅山幹也による対談「『ミシング・チャイルド・ビデオテープ』とその周辺」が巻頭に収録。近藤亮太監督の映画を足がかりとしたホラー映画談義。そもそも佐々木さんの『この映画を観ているのは誰か』で語られなかったこ...