原題は「Baise-moi」なので「ベーズ・モア」が正しいですね。

フランスの作家ヴィルジニー・デパントが自身の小説を映画化したもの。原作は『バカな奴らは皆殺し』という邦題で訳が出ている。そちらは未読なんだが、デパントだと『アポカリプス・ベイビー』や「ヴェルノン・クロニクル」シリーズは最高なのでおすすめ(ただし後者は三部作の三冊目は邦訳が出ていない。出してくれないかな……)
彼女について後藤護さんが「フランスのキャシー・アッカー」と言っていた。手法的にはオーソドックスな小説家なんだけど、パンキッシュで暴力的・性的に過激なところは似ているかもしれない。
内容的にはサグい『テルマ&ルイーズ』みたいな感じ。爽快感はない。
冒頭でかなり殺伐とした性暴力シーンがあるので注意のこと。原作者/監督自身の経験が反映されていると思われる。
女性二人組が行く先々で男をひっかけたりぶっ殺したりの逃避行の末に二人とも死ぬという、アメリカン・ニューシネマの出がらしみたいなストーリー。

映像はビデオ撮りのチープなものなのだが、そこでサグい感じを強調しているのかもしれない。
音楽はロウファイなオルタナティヴロックみたいなのが多くて好みである。サントラほしい
アレクサンドル・アジャやコラリー・ファルジャなどのゼロ年代フレンチ・ホラーと関連してるのかなと思ったが、暴力的ではあるもののホラーというわけでもなかった。時期的にもちょっと早いか。
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