B級的な奇想―『エミリア・ペレス』

05 Movie

メキシコ。
優秀だが女性で有色人種であるためにアシスタントの地位から抜け出せず、明らかに有罪な悪人に無罪を勝ち取らせている自分に疑問をいだいている弁護士リタ。
謎の電話に呼び出されていったところ、袋を被らされて拉致される。連れて行かれた先には麻薬王のマニタスがいた。
無慈悲で残酷なボスとして君臨していた彼は実は物心ついたときから女性になりたいと思っていた。リタは性別適合手術を担当する医師探しを依頼される。

前情報ほとんどなし(トランスジェンダーの人が出てくるらしい、程度)で観たのでまずミュージカルというところでびっくりした。
その後の展開も予想の斜め上を行くので後半は特に「え、そうなる?」という感じで、退屈はしないんだが、なんとなくB級だなという印象が拭えなかった。だからダメってことではなくて、B級的な奇想を楽しみはしたんだけど、アカデミー賞最多ノミネートと言われると「そうなの?」って感じ。
奇想といいつつ、まあ「過去が追ってくる」というのは犯罪映画のあるあるではあるので、そういう意味では王道的でもあるかも。
スペイン語のヒップホップぽい曲はかっこいいし、父親のことを思う子どもの歌はしみじみするし、手術の説明を受ける曲は「そんな歌詞あるかよ」って感じで笑ったしで、曲は全体的にいい。
なんだけど、リタを演じたゾーイ・サルダナ以外はダンスを魅せるところがないのもミュージカルとしては気になる。派手にダンスをキメるとリアリティとかシリアスさが後退するとか考えてるんだとしたら、ちょっとその認識は古いんじゃないかしら。

エミリア・ペレス : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
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