社会派っぽく見えるんだけど―『預言者』

05 Movie

ジャック・オーディアール監督の2009年作。同年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞するなど高く評価されている。
『エミリア・ペレス』があまりに変な映画だったので、『ディーパンの闘い』に続けてやはり代表作と思われる本作を観てみた。

アラブ人青年のマリクが6年の刑を宣告され、刑務所に入るところから始まる。
所内は人種ごとにグループができていて互いに対立しているが、マリクは信仰を持たないため、アラブ人のグループでも居場所がない。そこへコルシカ人マフィアのグループが接近してきて、殺人を命じられる。コルシカ人グループのパシリとなったマリクは所内で次第にのし上がっていく。

一見すると刑務所内での人種対立なんていう社会派っぽい題材が扱われているし、ルックはシリアスっぽいのだが、一方でマリクの殺した男の幽霊が妙な存在感で現れ続けたり、必要以上に痛いシーンがあったり(殺しを命じられて口内にカミソリを潜ませてターゲットに接近するのだが、その練習をしているところとか「いやー!」ってなる)、運転してたら突然鹿を轢いたりと、変な映画である。というか端的に言うと悪趣味。

どうもこの監督、社会派っぽいたてつけで変なことをやる作風なんだな。意外とヨルゴス・ランティモスとかに近いのではあるまいか。

預言者(2009) : 作品情報・キャスト・あらすじ・動画 - 映画.com
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