東日本大震災から10年、その間に行われた施策などについてさまざまな立場から寄稿されている。

防潮堤建設についての疑義や漁業にまつわる改革(成功した面もあれば失敗した面もある)
避難を余儀なくされた人々、残ることを選択した人々、それぞれに必要なケアについて。
阪神淡路大震災や水俣といった過去の災害(天災もあれば人災もある)について書かれたものもある。
特に印象に残ったのは田浪亜央江「IDFの東北ミッションとイスラエルの「世界標準化」 」という論文。ネタニヤフと安倍晋三の急接近、そして急激に強まっていた両国の軍事的な連携。そしてここで語られる「イスラエルの世界標準化」というのは2023年10月以降変わった面もあるとは思うのだが、やはり欧米での親パレスチナ言説への抑圧的な反応はこの頃には種が蒔かれていたのだなと思った。
4年前の特集だが、いま読んでも読み応えのある号だった。
青土社 ||現代思想:現代思想2021年3月号 特集=東日本大震災10年
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