国家が成り立たなくなって「動民」(≒[難民])問題がシリアスになっている。「ガーデン」と言われる単位の共同体が各地で林立し独立的な立場を主張している。一方で感染症も問題になっている、というそんな近未来。

主人公は日本の外務省の秘密部署「複製課(レプリカ)」に所属。顔を複製して他人になりすまし、諜報活動とか邦人の救出とかをするのが仕事で、「動民」出身者で構成された組織である。
そんな複製課の同僚が行方をくらませたため捜索を始めるが……
という感じの近未来ポリティカルスリラーと言いますか、要するに伊藤計劃以降のアレです。ぼくはかなり好き。
こういう小説ではちょっと将来ありえそうな社会設定やテクノロジー、ガジェット類が重要なんだけど、そういうのもよくできている。
藤井太洋とかお好きな方にはオススメできるかと思う。
著者は全然知らない作家だったのだが、これ早川から出てたらもっと注目されてるんじゃなかろうか。まあ寡作な人ではあるようだが、今後も注目したい。

ノマディアが残された -王城夕紀 著|単行本|中央公論新社
国家崩壊、未知の感染症、マインドアップロード、居場所なき人々……絶望の未来図を書き換えるのは誰だ? 秘密組織「複製課」のエージェントが、人類を二分する陰謀に立ち向かう国際諜報活劇!
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