ワイルド・サイドを歩くニューヨーカーたち―『エンプティ・スーツケース』『エニバディズ・ウーマン』『ヴァラエティ』

Uncategorized

タイムズ・スクエアの周囲にはストリップ小屋やセックス・ショップが立ち並んでいた時代。
そんなニューヨーク、No Wave周辺のシーンから登場した映画作家がベット・ゴードンだ。日本ではあまり知られていなかった作家だったが昨年末に初期作品の『エンプティ・スーツケース』『エニバディズ・ウーマン』『ヴァラエティ』がはじめて国内上映された。
周囲で大いに話題になっていて、はっきり言ってぼくが観てないといけない映画だとは思ってたんだけど、ようやく早稲田松竹でまとめて鑑賞。

『エニバディズ・ウーマン』は30分弱の短編、『エンプティ・スーツケース』は1時間弱の中編で、いずれも実験映画的な作品。
前者はストリップ小屋やポルノ映画館などの映像とともに、性的なモノローグなんかが重なってくるようなもの。

後者はニューヨークとシカゴを行き来する女性が主人公。スーツケースに入れる荷物に迷う様や、バッグの中の探し物をしていて拳銃を取り出すところ、橋をバックに恋人と大喧嘩するところなどが映し出される。Xレイ・スペックスによる消費社会批判ソングがかかったりも。

『ヴァラエティ』のほうはもっとストーリーははっきりしている。
ナン・ゴールディンに紹介されてポルノ映画館で切符売りを始めた女性が主人公。時おり休憩しては映画を覗いたりしているうちに、身なりのいい常連客にナンパされるのだが、調べていくと反社らしいということがわかってくる。
一方で、彼女自身は彼氏といるときに突然官能小説の描写みたいなものを延々と語り始めたり、部屋でポルノ女優のような衣装を装いをしてみたり、セックス・ショップに突入したりしていく。
ポルノ映画館をはじめとする男たちの空間に女性が侵入していくという作品であるとともに、そんな彼女のほうが観られる側になる局面も出てくる。
脚本はキャシー・アッカーで、クッキー・ミュラーがちょい役で出てきたり、音楽がジョン・ルーリーだったりと個人的な見どころの非常に多い一本。サントラほしい!

ニューヨーク・アンダーグラウンド、特にリチャード・カーンとリディア・ランチの映画を思い出したりもした。

コメント

タイトルとURLをコピーしました