これから読む人は新装版を――『関西ハードコア』【60冊目】

03 Books

FORWARD/DEATH SIDEのISHIYAさんが日本のハードコアに関する貴重な本を次々と上梓されているが、その皮切りになったのが本書である。
刊行当時、初版は早々に売り切れて重版時には増補記事が入り、さらに最近は別な版元からCD付きの新装版が出たところ。ということで、いろいろと版を重ねていまに至っているのだが、ぼくが読んだのは初版である。刊行時に飛びついて購入したもののずっと積んでいて、ようやく読んだ次第。

ISHIYAさんとRAPESの新谷さんがMOBS、DANSE MACBRE、SxOxB、OUTO、Laughin’ Nose等々関西ハードコアシーンのキーパーソンたちに話を聞いていくインタビュー集。
いずれも、聞き手がこの人たちだからこそ、かなりオープンに話をしており、関西シーンの濃密さがよく伝わってくる。ていうか関西と一口に言っても大阪、京都、神戸でそれぞれ違うんだなということも(当たり前なんだけど)よくわかる。神戸がかなり特殊だったとか。
先輩後輩関係というのはいまでは嫌われることが多いが、「面倒見の良さ」がシーンを形成していくこともある。関西シーンでその最たるものだったのがアウシュヴィッツの林直人氏だったことも、数々の発言から裏付けられてくる。ぼくは林さんというとアルケミーのJOJOさんの相棒というくらいの認識だったんだがパンク/ハードコアサイドの視点で見るとそれ以上に大きい存在だったようだ。林さんの本が書かれるべきだという発言も出てくるが、深く頷かされる。

なお、ぼくの買った初版は内容はたいへん面白いのだが、編集面で残念なところが散見されるので、これから読む方は新装版を買うことをお薦めします。値段は高くなってるけど貴重な音源のCDもついてくるようだし。

『新装版 関西ハードコア』 ISHIYA | 東京キララ社 powered by BASE
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