1000冊紹介する

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【46冊目】永田希『再読だけが創造的な読書術である』(筑摩書房)

昨年末に急逝した永田希さんの遺作となってしまった一冊で、デビュー作『積読こそが完全な読書術である』の続編的な本である。 めちゃめちゃシンプルに言うと、「本は何度も読んだほうがいい」ということを言っている。前作でも言っていた「本を読むことの不...
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【45冊目】古賀及子&スズキナオ『青春ばかり追いかけている、なにもかも誰より一番慣れない』

これはいくらでも続けられるだろうし、続けてほしい。 そもそもは担当編集者と著者という形で交流のあった二人による「大人の感情」をテーマにした往復書簡エッセイ集である。 「大人の感情」とか言われると、なにかセクシーなものを想像しちゃったりするか...
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【44冊目】ロアルド・ダール『オ・ヤサシ巨人BFG』 

『チャーリーとチョコレート工場』や『ファンタスティック Mr.FOX』の原作者としても知られるロアルド・ダールの児童文学で、本書もスピルバーグによって映画化されている。 孤児院に暮らす少女ソフィーが眠れない夜、窓の外を見るとそこには巨人が!...
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【43冊目】フェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』 

短編集というか一編が20ページとかなので掌編集といってもいいのかな。様々な形の「犯罪」が描かれるのだが、犯罪小説というよりは犯罪にまつわる人間模様を描いたものが多い。余韻のあるものもあれば、ショートショートっぽくオチがつくものもある。著者(...
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【42冊目】今村昌弘『屍人荘の殺人』

2017年に鮎川哲也賞を受賞し、このミスをはじめその年の賞を総嘗めにしたという超話題作。主人公は先輩と二人で「ミステリ愛好会」として活動する大学生。そんな彼らが夏休みに映画サークルの撮影合宿に混じって山中のペンションで過ごすことに――という...
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【41冊目】藤谷治『新刊小説の滅亡』

旧ブログでやってた「1000冊紹介する」シリーズを再開します。過去ログはこちら。 かっちりした書評とかではなく、読んだ本を速報的に簡単に紹介するシリーズです。 ということで今回は11月の文学フリマで買った本の中から、フリー編集者の仲俣暁生さ...
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【46~47冊目】谷崎潤一郎『痴人の愛』&樫原辰郎『「痴人の愛」を歩く』

立て続けに樫原辰郎氏の著書を読むことに。ということで『「痴人の愛」を歩く』を読もうと思ったわけなんだが、そもそもお恥ずかしいことに『痴人の愛』を読んでいない(谷崎は『春琴抄』しか読んでないのだ)。ということで、まずは『痴人の愛』から。 真面...
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【45冊目】樫原辰郎『帝都公園物語』

『ロックの正体』が面白すぎたため、著者の旧著も読んでみようということで手に取った一冊。都内の有名な公園の成り立ちを通して近代日本の成立を描くという、これまたスケールが大きくジャンル横断的な試みである。公園というもの自体が西洋からの輸入品であ...
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【44冊目】樫原達郎『ロックの正体』

今年の新刊で今のところ一番おもしろかったのがこの本だ。というか、新刊はあまり読んでないんだけど、今年読んだ本全部のなかでもこれが一番おもしろかったかもしれない。 タイトル通り、「ロックとは何か」を論じた本である。とはいえよく「ロックとは覚悟...
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【43冊目】平岡正明オン・エア 耳の快楽

田中美登里のラジオ番組に出演した回の再録。巻末には各回の解説的な長めのあとがきのようなテキストも収録されている。 横浜をめぐるフィールド録音の第一章からして興味深い。この本を片手に横浜に行きたくなる。 ジャズや演歌のほか。新内、浪曲などの語...