1000冊紹介する

03 Books

いまひとつ食い足りない―松岡正剛『編集宣言 エディトリアル・マニフェスト』(工作舎)【75冊目】

『ユリイカ』の追悼特集を読んでいて、やはり『遊』をどのように作っていたかという話が面白いなと思っていたので手に取ったのがこちらである。 『遊』時代に綴った「編集エッセイ」を緊急追悼出版したものだという。 「編集エッセイ」というくらいで、目次...
03 Books

パンクについて引き続き考える―『All The Young Punks vol.3』【74冊目】

基本コンセプトは既刊と同様、各国のいろんな世代のパンクスにパンクについてのアンケートをとったもの。パンク原体験、思い出のライブ等々。 前作よりもアジアなど非英語圏からの参加が多く、日本人も3~4人いる。ていうかイライザ・ロイヤル女王様やLi...
03 Books

尖る/尖らない―「現代詩手帖 2023年5月号」【73冊目】

新人・新鋭特集ということで、巻頭に新鋭の作品がたくさん載っている。 当たり前だけど新鋭といっても尖ったものばかりではなく、ぼくのあまり得意でない「日常を切り取る」系みたいな人も結構いるのだな。個人的によかったのは・小川芙由「エニィ・エニィ」...
03 Books

けっきょく最後まで滑っていた―『やぎ少年ジャイルズⅡ』【72冊目】

上巻を読み終えた時点で「このあと面白くなるのかな……?」と思ったのだが、残念ながら予想通り最後まで面白くならなかった。 自分がやぎだと思って育てられた少年が実は人間だと気づき、さらには「大いなる教え親」という一種の救世主であるとの自覚をもっ...
03 Books

魔術的スチームパンク―『精霊を統べる者』

『SFが読みたい!』の海外部門1位。 20世紀初頭のエジプト。偉大な魔術師アル=ジャーヒズがジン(精霊)を解き放ち、人々はジンと共生するように。エジプトは魔術の力で国力を強めていたが、魔術師自身は姿を消してしまっていた。そこから数十年後、イ...
03 Books

40代の鮎川誠―『KEEP ON ROLLING Makoto Ayukawa Photo Live 1993-1999』【70冊目】

90年代の鮎川誠をとらえた写真集。ぼくが初めてシナロケを観た頃だ。 ライブ写真を中心に、楽屋やオフショットなども収録。まあそりゃかっこいいわね。真ん中あたりにロングインタビューも掲載されており、これもいつもの鮎川節ではあるのだが、ちょうどコ...
03 Books

自分なりの楽しみ方を見つけたい―『BRUTUS特別編集 合本・写真術』【69冊目】

写真への興味が出たところで2011年に買ってあった雑誌を読んだ。「28人の写真家が教える、撮影術とルール」と表紙にあるが、まあ写真家のインタビュー集である。ポートレイトに風景写真、写真の選び方や写真集の組み方、影響を受けた写真集紹介など、実...
03 Books

6年も経つとだいぶ様子は変わるだろうけど――『デザインのひきだし No.38』【68冊目】

デザインに凝った本もたまには作ってみたいものだ。 『ユリイカ』の松岡正剛追悼号や、その延長で松岡正剛・松田行正の対談のYouTubeなんかを見ていたら本のデザインについての興味が湧いてきたので、2019年に買って積んであった雑誌を読んでみた...
03 Books

AIの進歩の速さを感じる―『小説を書く人のAI活用術』【67冊目】

もともと電子書籍で出ていたものの増補版。前半を今井昭彦、後半を山川健一が書き、最後に実際にAIを使って小説を書いた葦沢かもめによる10章が加えられたという形。 前半の今井パート。そもそも「ストーリーデザイナー」ってなんだよと胡散臭く思いなが...
03 Books

SFはもっと読みたい―『SFが読みたい!2025年版』【66冊目】

去年はけっこう読んだなあ。早川書房から毎年出ている年間ベストアンケートのムック。もう4月だが先日ようやく入手したので目を通した。 例年よりも年間ベストの既読率が高い。特に国内編はベスト10(同率10位が2冊あるので11冊)のうち8冊は読んで...