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03 Books

1年半でも一昔感ある―『SFマガジン 2024年2月号』【115冊目】

SFマガジンとミステリマガジンは毎号買ってるんだけど、全部書斎の「積読タワー」(こういうやつ)にぶっこんであって、もう2年分くらい溜めてしまっている。今年はこれを全部読むぞ。と、こないだ決めた。ということでまずは目についた中で一番古いSFマ...
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タイトルの読み方が「ウオ」だというのでびっくりした―ペーター・マーギンター『男爵と魚』【114冊目】

「オーストリア綺想小説コレクション」の第二弾だという。、まあたしかに綺想に継ぐ綺想。 粘菌学者を父に持つ青年ジーモンは父の知人で高名な魚類学者であるクロイツ‐クヴェルハイム男爵と出会い、その秘書になる。しかしまもなく男爵は政敵・カワウソ党に...
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『ノスフェラトゥ』との出会い―赤川次郎『三毛猫ホームズの怪奇館』【113冊目】

ロバート・エガース監督による『ノスフェラトゥ』のリメイクを観てきた。感想は別途書いたり喋ったりするのでそちらをご覧いただければとして、自分が『ノスフェラトゥ』という1922年の古典を知ったきっかけとなったのは赤川次郎だった。小学校4年生くら...
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積読からの初読からの再読からの再読による読書論―アドラー&ドーレン『本を読む本』【112冊目】

読書論の名著として知られている一冊である。 むかし読んだことがあるのだが、ずっと参加している「非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会」の課題図書となったので再読。そういえば先だって再読した『積読こそが完全な読書術である』でも言及されて...
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縁―『Marginalia vol.2 特集 ともに生きる』【111冊目】

京王線分倍河原駅前の書店「マルジナリア書店」と縁やゆかりのある面々が集まって作られた小さな文芸誌。マルジナリア書店に棚を出している間借り書店「書肆 海と夕焼」を主宰する文芸評論家の柳沼雄太が責任編集として携わった号。 ちなみにマルジナリア書...
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改造人間への憧れはなくはない-ケロッピー前田『モディファイド・フューチャー』【110冊目】

さまざまな「改造人間」たちの写真が圧巻である。 「身体改造ジャーナリスト」のケロッピー前田さんのジン。人体改造というのはタトゥーやピアスからはじまって、体内に異物を入れたり、皮膚にフックをつけてぶら下げられたりと様々なのだが、そういったシー...
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まだ序盤―『SWAMP THING volume 1 Raise The Bones』【109冊目】

DCコミックのTHE NEW 52の一貫としてスタートしたスワンプシングの新シリーズ第一巻であり、スコット・スナイダーがライターをつとめている。 ていうところまでで結構な説明が必要かな……。まずDCコミックはアメコミの出版社である。日本では...
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責任―『櫻井敦司読本』【108冊目】

シンコーミュージックの「ROCK AND READ」誌に掲載された櫻井敦司のインタヴューをまとめたもの。2012年のバンド25周年から始まって2023年の『異空 -IZORA-』全曲解説まで。まあ『音楽と人』のやつに比べるとヴォリューム的に...
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基準が……?―『ミステリマガジン 2025年4月号』【107冊目】

特集は「21世紀翻訳ミステリベスト!」。アンケートによるランキング企画である。今世紀に訳出されたもの(原書刊行年ではなく)という基準なので、本邦初紹介のクラシックミステリみたいなのも入っている。ジム・トンプソンの『ポップ1280』とかが入っ...
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コロナ後のポスト・アポカリプスSF―松崎有理『山手線が転生して加速器になりました。』【106冊目】

タイトルからして何事かと思うが本当にそういう話だった。巨大な素粒子実験機を作りたいと考えた科学者たちが、廃線となった山手線を利用することを考える。ところが起動させてみると、その加速器は山手線だった頃の記憶を残しており、そちらに誇りとアイデン...