03 Books

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技巧の妙は伝わります―斜線堂有紀『ミステリ・トランスミッターー 謎解きはメッセージの中に』(双葉社)【53冊目】

斜線堂有紀といえば地方も含めて毎回文学フリマに出店、いつも長蛇の列ができる作家さんという印象が個人的には強い。 ラノベ出身で基本的にはミステリ畑で活躍しており、昨年は初のSF短編集『回樹』を刊行(おもしろかった)。ぼくが初めて読んだのは『楽...
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雑誌はやはり積まないほうがいいかも――『EL ZiNE vol.68』【52冊目】

元DOLLの編集者がDOLL終刊直後からずっと続けているパンク雑誌。2024年8月刊行の号。 USハードコアのThe F.U.'SやThe AdvertsのTV Smith、DOOM他数々のバンドに在籍したSCOOT等々ベテラン勢のインタビ...
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【51冊目】積読と再読――永田希『積読こそが完全な読書術である』(イースト・プレス)

先日「再読する」と言ったので再読した。 2020年刊。読書論、いや「積読論」にパラダイムシフトを起こした名著である。ビオトープという生物学の概念を読書に導入。つまり自分のテーマや関心に従って書棚を作り直し続けることが薦められている。そうして...
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【50冊目】伊藤ガビン『はじめての老い』

ぼくは50歳、立派な初老だ。あと10年で60歳なんだな、と考えることが最近は多い。一般的に定年の歳だったりして、60歳からが「老人」というイメージが強いと思うのだけど、実際には現在では60では老人に入れてもらえない。ということがわかるのがこ...
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【49冊目】ROCK AND READ 116

言うまでもないが3ヶ月くらいは積読のうちには入りません。 シンコーミュージックから刊行されているV系を中心とした音楽雑誌。年末だか年始だかに購入したもの。BUCK-TICKが表紙のときに何度か買ったことのある雑誌で、これもギタリスト2人によ...
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【48冊目】ジョン・バース『やぎ少年ジャイルズ1』

学生時代に買ってずっと棚の目立つ位置に置かれていた本をついに読み始めたのである。 アメリカのポストモダン小説を代表する作家ジョン・バースの1966年作。上下巻で合わせて800ページ以上。コンピューターシステムに支配された大学を舞台に、やぎと...
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【47冊目】現代詩手帖2023年3月号

今年の課題として図書館で借りられる「現代思想」と「現代詩手帖」のバックナンバーを全部読むことにしている。雑誌に保管年数に限りがあるので「現代詩手帖」については2022年12月号から読み初めて4冊目。そもそも詩というものに苦手意識があるので、...
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【46冊目】永田希『再読だけが創造的な読書術である』(筑摩書房)

昨年末に急逝した永田希さんの遺作となってしまった一冊で、デビュー作『積読こそが完全な読書術である』の続編的な本である。 めちゃめちゃシンプルに言うと、「本は何度も読んだほうがいい」ということを言っている。前作でも言っていた「本を読むことの不...
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【45冊目】古賀及子&スズキナオ『青春ばかり追いかけている、なにもかも誰より一番慣れない』

これはいくらでも続けられるだろうし、続けてほしい。 そもそもは担当編集者と著者という形で交流のあった二人による「大人の感情」をテーマにした往復書簡エッセイ集である。 「大人の感情」とか言われると、なにかセクシーなものを想像しちゃったりするか...
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【44冊目】ロアルド・ダール『オ・ヤサシ巨人BFG』 

『チャーリーとチョコレート工場』や『ファンタスティック Mr.FOX』の原作者としても知られるロアルド・ダールの児童文学で、本書もスピルバーグによって映画化されている。 孤児院に暮らす少女ソフィーが眠れない夜、窓の外を見るとそこには巨人が!...