映像美で押し切った感―『テトロ 過去を殺した男』

05 Movie

ブエノスアイレス。
新人の船乗り青年ベニーが腹違いの兄アンジーを訪ねてくる。かつて兄が書いた心温まる手紙を携えてやってきたのだが、そっけない態度をとられてしまう。アンジーは家族を捨て、テトロ名乗って舞台照明の技師として、かつて収容されていた精神病患者施設の女性と暮らしていた。

ベニーはテトロが書きかけていた自伝的小説の原稿を発見、鏡文字の暗号で書かれていたものを清書するが、本人が見つけて激怒。
それでもめげずに結末を付け加えて戯曲化し、さらには賞に応募までしたところ高く評価される。

親のことを知らされておらず、知りたがるベニーと、それを拒否するテトロ。親子関係にまつわるドラマで、終盤で明かされる秘密については「そんなことある?」って感じなんだが、全体にとにかく映像がスタイリッシュ。
基本的にはモノクロで、テトロの小説を映像化した再現ドラマ部分がカラー。ブエノスアイレスはさすがに南米のパリなので、オープンカフェでお茶してる場面や夜の車道に飛び出すシーンなんかはヌーヴェル・ヴァーグみたいだ。

ヴィンセント・ギャロもこの頃はよかったんだなあ。ていうかギャロ主演のモノクロ映画なんて90年代のオシャレ映画みたいだと思うが2009年制作。そして日本公開は2012年と謎にブランクがある。『メガロポリス』も早くやってほしいな……

テトロ 過去を殺した男 : 作品情報・キャスト・あらすじ - 映画.com
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