さすがに途中でトイレに行った―『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』

05 Movie

※結末に触れています

力作なのはわかるが長い。
配信で3時間半って、絶対「通しで見る」ことを想定してないだろうと思う。もちろんぼくも途中でトイレに行きました。逆に言うと劇場公開で3時間みたいな映画はトイレタイムを入れてほしい。インド映画を見習って。

石油を掘り当て、豊かな富を得たネイティヴ・アメリカンたち。
レオナルド・ディカプリオ演じるオスカーはその娘と知り合い結婚する。オイルマネーを狙う伯父の「キング」(ロバート・デニーロ)のさしがねで次々の妻の親族が殺されていく。オスカーもキングの指示で片棒を担ぐし、糖尿病治療を受けている妻のインスリンに毒を仕込むことまでする(一応葛藤しているらしいところは出てくる)。
妻が連邦政府に直訴したことで政府からの捜査官が派遣されてきて逮捕されるオスカー。司法取引でキングの指示を証言するよう求められる。

とにかくデカプーが終始、下唇を突き出したへの字口でムスっとしているのが印象的である。気難しい顔をしてるが明らかに何も考えていない。最後に妻から、自分に何を注射していたのかと詰められて「……インスリン」と答えるあたりとか、これで妻が完全に愛想を尽かしたのがよく伝わってくる。

デカプリオ&デニーロという新旧スコセッシ主演俳優たちの競演ももちろん見どころなんだが、脇役たちがみな実にイイ顔をしている。衣装の小汚さなんかも含めて、ロバート・エガースばりに考証にこだわってるのがよく伝わってくる。
本作はAppleオリジナル。
デヴィッド・リンチやジョン・ウォーターズがなかなか新作を撮れずにいる(いた)中、こういうのが撮れるスコセッシのはまだ恵まれているといえるんだろう。

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