話題の新鋭―『ミッシング・チャイルド・ビデオテープ』

05 Movie

この春とても話題になっていた一本なのだが完全に見逃していて配信で鑑賞。

山で遭難した少年を発見したボランティアの兒玉敬太。彼にはかくれんぼをしているうちに弟の日向が行方不明になったという過去があった。その際に彼はビデオカメラを回していたのだが、そのときのテープが母親から送られてくる。
敬太と同居しているルームメイトの司には霊感があり、そのテープに嫌な感じを抱く。
ローカル新聞の女性記者が敬太のお手柄を記事にしたいと寄ってくるのだが、次第に過去の事件のほうに興味が移っていく。弟が失踪した山では、過去にも数々の怪事件が起きていたのだ……

ぞわっとさせるところが多く、たしかに怖い。印象に残ったのは民宿で宿の息子の話を延々と聞かされるところ。画面に動きはないんだけどじわじわと怖くなってくる。

文学フリマで購入した『あなたは今、ホラー映画を視ていない』というZINEで主に話題にのぼっていたのが本作。
監督の近藤亮太はモキュメンタリー的なドラマ(未見)でも話題になっていた人のようだが今作は劇映画。ただし、ビデオテープやカセットテープといったメディアが重要な役割を果たしているという意味ではモキュメンタリーやファウンド・フッテージものに通じるものがある。
もともと映画美学校で高橋洋に師事、そして「日本ホラー映画大賞」を受賞して清水崇のプロデュースで本作を監督したというJホラーのエリート街道みたいな道を歩みつつ、両者とも違うことをやっている、ということが評価されている。

ZINEを読んでから映画を観て、そのあとZINEを再読したのだが、なるほど対談で指摘されていることはもろもろ腑に落ちるところがあった。

といったこととは関係ないんだけど「おにいちゃん、かくれんぼしよー」っていう声が甥っ子2号に似ていてつらい気持ちになりました。

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