新作に向けて期待よりは不安が高まった―『ヴァージニア』

05 Movie

なんだこりゃ。

フランシス・フォード・コッポラの2011年作。

本屋もない小さな町に自作の行商にやってきた三流オカルト小説家ボルチモア。
金物屋に自著を置いてもなかなか売れずにいるところに保安官がやってきてサイン本を買い求めつつ、いいネタがあるから共著で本を書こうと提案される。この町で起こった連続殺人をもとにした吸血鬼ミステリーだという。保安官事務所には杭を打たれた遺体が保管されている。
町にはかつてエドガー・アラン・ポーが泊まったというホテルの跡地があり、大先輩に経緯を表するためにそこを訪れるボルチモア。
その晩、モーテルで妻から詰められる。ボルチモアはもうオカルト小説は書きたくないとゴネるのだが、妻はもうお金がないので新作を書くことにしてアドバンスを前借りしろという。さもなければ大事にしている稀覯本を売ると脅され、エージェントに連絡して保安官から提案された小説を提案。エージェントは大いに乗り気になり、前借りに成功する。
夢の中で、ボルチモアはポーと謎の少女と出会う。二人の12人の子どもが殺された事件の真相にに迫れそうなのだが……

まずエル・ファニングが良い。あとこの太った小説家どっかで見た顔だけど誰だ?と思ったらヴァル・キルマーでびっくりした。これもいい感じでコメディリリーフを演じている。
夢のシーンは青みがかかっったモノトーンに、赤だけが色鮮やかなパートカラー風。これはゴス感があってかっこいい。
さらになにか事件の鍵を握ってそうな謎のゴスメイクの男フラミンゴというのが出てきたり、時計の全然合ってない時計台が出てきたりして、雰囲気は悪くないのだが、オチを含めてなんか全体にふわっとしている。

新作『メガロポリス』に向けてコッポラの過去作をちょっとずつ観てきたのだが、いよいよ現時点での最新監督作までやってきたところでこれである。考えてみると『コッポラの胡蝶の夢』『テトロ 過去を殺した男』もそんな感じだったので『メガロポリス』についても不安になってきた。観るけどね!

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