地元民読者の視点―青木淳悟『「耳すま」聖地巡礼記』【94冊目】

03 Books

ぼくは聖蹟桜ヶ丘生まれ聖蹟桜ヶ丘育ちである。
そして聖蹟桜ヶ丘といえばジブリ映画『耳をすませば』の舞台となっていることで何より有名だろう。
さすがに昔の映画なので今とは(特に駅前は)だいぶ変わっているが、それでもちょっと歩けば映画の場面の痕跡と出会うことができるので、「聖地巡礼」の対象としていまでも人気である(と思うんだけど、多摩市民が盛ってアピールしている可能性もなくはない)。

先だって小説家の青木淳悟が『耳をすませば』の翻案小説『憧れの世界』を刊行したのだが、執筆時には聖蹟桜ヶ丘を訪れたことはなかったという。同書刊行ののち、満を持して現地を訪れ、そして書かれたのがこのペーパーだ。

マップの形になっていて、その上にエッセイが載っている。ぼくの生活圏とも重なる部分が多いんだけど、やはりよく知っていると普段スルーしているようなところに引っかかりを感じて注目している様子が地元民としては面白い。逆に言うと聖蹟桜ヶ丘と縁もゆかりもない人が読んだらどんな感想を持つのかも聞いてみたい。

そしていまなぜ『耳をすませば』なのかが気になる。『憧れの世界』を読めばわかるのだろうか。

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