層の厚さを感じるー『現代中国SFアンソロジー 宇宙墓碑』【97冊目】

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中国SFのアンソロジー。以下の12篇を収録。

「最後のアーカイブ」顧適(グー・シー)
「宇宙墓碑」韓松(ハン・ソン)
「九死一生」念語(ニエン・ユー)
「アダムの回帰」王晋康(ワン・ジンカン)
「一九三七年に集まって」趙海虹(ジャオ・ハイホン)
「博物館の心」糖匪(タンフェイ)
「大衝運」馬伯庸(マー・ボーヨン)
「真珠の耳飾りの少女」呉 霜(アンナ・ウー)
「彼岸花」阿缺(アーチュエ)
「恩赦実験」宝樹(バオシュー)
「月見潮」王侃瑜(レジーナ・カンユー・ワン)
「宇宙の果ての本屋」江波(ジャン・ボー)

自分が読んだことのある作家は『無限病院』の韓松と『両京十五日』の馬伯庸。華流SFはほかにも何冊かアンソロジーを読んでいるので他にも読んだことのある作家はいると思うんだけど、やはり

ベテランから若手まで世代的にも幅広い作家が選ばれており、王道の宇宙もの、ゾンビもの、星新一的な落とし噺、ひねりのあるタイムリープものなど、内容的にもバラエティ重視で編まれているようだ。先日読んだ台湾のアンソロジーと比べても層の厚い感じは伝わってくる。まあ分母が違うもんね。
個別に好き嫌いはあるが、これだけ揃えていればSFが好きな人ならいくつかは面白いと思えるものがあるんじゃないだろうか。
個人的にちょっとぐっときたのは最後の「宇宙の果ての本屋」。もはや誰も本など読まなくなった時代に残された最後の本屋がこの世のすべての本を宇宙船に積んで宇宙を漂流するというもの。

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