雪の積もるニュージャージーの田舎の小屋にブルース・スプリングスティーンとEストリート・バンドの面々が集合。

2020年にリリースされたアルバム『Letter To You』レコーディングのドキュメンタリーである。気心の知れた面々……なのかと思ったら、なんと『Born in the USA』以来の集結だったのだそうだ。
とはいえやはり場数を重ねたメンバーたちなんだろう、リラックスした様子でセッションは進む。歳を重ねた感じが良い。特にコーラスとギターの女性がかっこいい。リトル・スティーヴンは太り過ぎでびっくりしたけど。
アレンジを相談する際にも全員ノートとペンというところがいい。タブレットとか一人もいなくて最高。
そしてサックスのクラレンス・クレモンズは亡くなっているが、甥のジェイクが参加している。このサックスがまた良いんだな。
スプリングスティーンが歌の背景を説明しながら演奏を始める。初めて組んだバンドのメンバーがみんな亡くなってしまったと言って、「I’m last man standing now」なんて歌われると、そりゃあグッとこざるをえないですよね。
しかしながら、そこで歌詞の訳が字幕で出ないのが残念。『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』や『名もなき者』を観ていて、ああいう歌詞が重要なアーティストの映像が字幕付きで観られるのは大変ありがたいなと思ったところだったので。
AppleTV+オリジナル。モノクロで映る樹の映像がとても美しい。

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