【45冊目】古賀及子&スズキナオ『青春ばかり追いかけている、なにもかも誰より一番慣れない』

03 Books

これはいくらでも続けられるだろうし、続けてほしい。

そもそもは担当編集者と著者という形で交流のあった二人による「大人の感情」をテーマにした往復書簡エッセイ集である。

「大人の感情」とか言われると、なにかセクシーなものを想像しちゃったりするかもしれないが(ぼくだけかしら)、そういうのはあんまりなくて、そもそも大人になるということは全身で感情を表現する機会が減っていくということが前提とされ、そんな中での「感情」について話が進んでいく。

ナオさんがつねに青春を追いかけていること、そこからのバンド活動の話なんかはあんまりナオさんの本でも出てこなかった話題で面白かったし、古賀さんの学生時代のバンド活動の話も良い(バンド名が超かっこよくて羨ましい)。

あと、お手紙らしく毎回時候の挨拶みたいなところから始まるのだが、2024年の3月から9月にかけて行われたやりとりなので、色々と近過去の記憶が呼び起こされる(あの夏は暑かったなあとか)のも楽しい。

日常のすごく細かいところを拾うのがうまい二人なので、終始こまやかな話が展開されていく中にもとても大切なことが語られる瞬間のあるような一冊だ。全16回、8往復行われているのだが、普通に「次のお手紙も楽しみにしています」と終わっているので、ぜひ続きをお願いしたい。

古賀及子・スズキナオ往復書簡ZINE「青春ばかり追いかけている、なにもかも誰より一番慣れない」 - シカクオンラインショップ
大阪のインディーズ出版物のセレクトショップ「シカク」

コメント

タイトルとURLをコピーしました