図書館で在庫されている「現代詩手帖」のバックナンバーを全部(2年分)読むプロジェクト。2023年7月号は「夏の作品特集 幻想とポエジー」。
幻想的な詩は好きなので、ぼくにとってはなかなか読んでて楽しい号である。

山尾悠子の作品は散文詩というか、いわゆる改行のない形なので、「これは掌編小説とどう違うのだろうか?」と思いながら読んだところ、高原英理のエッセイ「詩が必要とする幻想とは何か」によれば、詩とは常に心のドキュメントであって、表現が幻想的に見えてもフィクションではないのだという説を紹介している。なるほど。
特殊な造語と文字遣い・ルビ遣いで知られるSF作家の酉島伝法も「転轍機」という詩を寄稿しているのだが、これがまた容赦ない特殊な漢字遣いの嵐。というか、実在する漢字なのかどうかもわからない。架空の漢字だったりするんじゃないのかな。
後日、NOIZ NOIZ NOIZ FMの「この洋書がヤバい!」ラメルジー特集にて、「文字を作る」という話が出てくるのとも併せて興味深い。
ほかに面白かったのは小縞山いう「腋窩と《 》」など。
思潮社 現代詩手帖 » 2023年6月28日発売 現代詩手帖7月号
詩の本の思潮社 2023年6月28日発売 現代詩手帖7月号
コメント