先日の『ゴルギアス』に続いて読んだプラトン。こちらも光文社古典新訳文庫の中澤務訳。『ゴルギアス』同様、kindle unlimitedで読めるのでありがたい。

かつて古代ギリシャでは長椅子に寝そべって飲み食いしながら議論を交わす「シンポシュオン(「饗宴」の意)という習慣があったという。本作はソクラテスも参加したそうした「シンポシュオン」の一夜を描いた対話篇。
美の神エロースと称えるというのがこの宴の議題。
訳者から、当時のギリシャは現代とは性的な規範が異なるという注意書きがあるのだが、それにしてもひたすら少年愛の素晴らしさが説かれていくので正直びっくりする。しまいにはソクラテスの元お稚児さんみたいなのが現れて痴話喧嘩みたいな話になっていく。
美のイデアに関する議論ということなんだが、とにかく驚き呆れているうちに読み終わってしまったという印象である。これで読んだことになるのだろうか……。
なお、なんとなくすごい大著みたいなイメージがあったのだが、どうもそれは蓮實重彦の同名の対談集のことが念頭にあったせいだと思われる。そんなに厚くなかったです。
Amazon.co.jp: 饗宴 (光文社古典新訳文庫) 電子書籍: プラトン, 中澤 務: Kindleストア
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