さまざまな「改造人間」たちの写真が圧巻である。
「身体改造ジャーナリスト」のケロッピー前田さんのジン。人体改造というのはタトゥーやピアスからはじまって、体内に異物を入れたり、皮膚にフックをつけてぶら下げられたりと様々なのだが、そういったシーンを長年取材してきた著者ならではの渾身のレポート集。

だいぶまえにいただいたものなのだが、最近『蛇にピアス』を読んだこともあって興味が高まり読んでみた次第。
日本では90年代後半に雑誌「Tattoo Burst」で身体改造への興味が高まったという。スプリット・タンを扱った『蛇にピアス』はその後になるのだが、スプリット・タンが女性の多いのは日本特有なんだとか。
あと「インプラント」っていうと歯医者のやつを思い出すが文脈が違うと全然違う意味になるのだな(笑)
実際にかなり派手に改造を施している方々やイベントのフォトレポートが中心。紹介されてるひとのなかではラス・フォックス氏(サイボーグっぽい人)がかっこいいと思った。

ハイテク系も興味深くて、人体にチップを埋めるというのもある。LEDを入れて内側から光らせたりしてるのだけど、こういうのMRIとかはどうなんだろうか(ケロッピーさんも入れてる)。
そしてイーロン・マスクの企業「ニューラリンク」は脳とコンピュータを接続することを目指しているという。本書の時点でタイピングくらいはもうすぐ念じただけでできるようになるようなことを言ってたようなんだけど、その後どうなっているのか気になる。とりあえず車のキーくらいは体内に埋め込んで開け閉めできるという。その分野は応援したい気持ちはありつつ、いかんせんイーロン・マスクなのか……
そういう未来志向の一方で、様々な資料をもとに縄文時代のタトゥーを再現しようというアートの試みあったりするのも面白い。
あと「眼球タトゥー」はさすがに「怖え…」ってなりました。

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