少年と悪魔のブルース―『デビルズ・ファイヤー』

05 Movie

罪人たち』を観てからブルースづいているのである。

本作はマーティン・スコセッシ監修により「ブルース100周年」として制作された「ブルース・ムービー・プロジェクト」作品のひとつ。このとき作られた映画はドキュメンタリーが多いが、これは珍しく劇映画仕立てになっていて、黒人の少年がミシシッピを訪れ、ブルース好きな伯父さんからブルースの手ほどきを受けるというストーリー。

少年の実家ではブルースは依然として「悪魔の音楽」とされており、こんなのがママにバレたら叱られると思いつつもブルースに惹かれていく。
おじさん自身もブルースマンみたいな女ったらしで、彼女の家に連れて行ったりと、子どものお手本になるようなタイプではまったくない。子どもからするとそこも魅力的なんだろう。

ブルース博物館みたいにポスターとかが貼りまくられたおじさんの家(トレーラーハウスに毛が生えた程度の小屋)でレコードを聴いたりしているうちにライヴ映像がはさまれるという形になっていて、「初めてのブルースの録音」としてメイミー・スミスが紹介されるほか、シスター・ロゼッタ・サープなど女性アーティストが多く出てくるのも特徴的か。
ほかにもサン・ハウス等々ライヴ映像はたくさん出てくるので、これだけでも観る価値があると思う。

終盤では「ロバート・ジョンソンが悪魔に魂を売った十字路」に連れていかれる場面なども。

とりあえず『罪人たち』関連で観るのにお薦めの一本。

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