積読からの初読からの再読からの再読による読書論―アドラー&ドーレン『本を読む本』【112冊目】

03 Books

読書論の名著として知られている一冊である。

むかし読んだことがあるのだが、ずっと参加している「非哲学者による非哲学者のための哲学入門読書会」の課題図書となったので再読。そういえば先だって再読した『積読こそが完全な読書術である』でも言及されていたんだった。『再読』本を初読して『積読』本を再読し、そこで言及されていた本を再読したというわけだ。

さて、本書では「積極的な読書」を通じてよりよい読者となるための方法が紹介されている。
まず読書を4つのレベルに段階づける。
第一レベルは「初級読書」。とりあえず文字が読めて意味がわかるくらいということだと思うんだが、たぶん大多数の人はこのレベルである(というか、たぶんここまで行ってない)。

第二レベルは「点検読書」。
目次、索引、まえがきあとがき、カバーの惹句をチェックすることで、何が書かれているのか、読む価値があるのかを確認するというものだ。

本丸は第三レベルの「分析読書」で、ここが一番詳しく紹介されている。
最後に第四レベルとして紹介されるのが「シントピカル読書」。これはひとつのテーマに沿って複数の本を読むというもの。自分のテーマや興味に沿って必要なところを自分の文脈で読んでいくというもので、これはまあ研究者の読書法と言えるだろう。
こうした読書を通じて精神が成長するのだという。

で、ここで書かれてることは概ね有効だとは思うんだけど、やや読みにくいのは「三つの◯◯」とか「五つの■■」とかがやたらと出てくるので、その関係がわからなくなってくるということだ。
途中でまとめてくれている箇所があるので、そこをコピーして片手で参照しながら読むと見失わなくて済むかもしれない。

ということで、みなさんもこちらで一緒にこの本を読みませんか

〈哲学入門〉読書会 第七期・第八期(2024年10月-2025年5月)
酒井泰斗+吉川浩満「〈哲学入門〉読書会」の案内ページです。

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